2010年11月7日日曜日

易者 身の上知らず

 「易者 身の上知らず」とは私達占いをするものが、他人にアドバイスは出来ても自分の運命は、うまく方向付け出来ない事から生まれた言葉だ。
  易者と言うのは、もちろん占い師の総称ではあるが、易学を使って占いをする人を厳密には、指していたのだろう。易学はタロットと同じ卜術に入る。タロットでも同じなのだが、怒りが極限状態でタロットを引いてみても、ほとんどのケースで正しい答えが出ない。冷静を装っても、神仏からの正しい掲示を、読み取る準備が出来ないのである。
  占い師は、別に神仏その者ではない。神仏から与えられた掲示を、読み解くだけの人だ。自分の掲示が上手く読めない事も有って当然だと思う。
  占いをやっていると必ずと言っていいほど聞かれることがある。「占いで宝くじの1億円を当てる方法はあるのか?」だ。正直、毎度馬鹿ばかしい質問だと思う。神仏の掲示を読み解く人が、ギャンブルの当たりくじを当てられるわけが無い。神仏は楽をして生活をさせてくれる事など無い。
  ある所で聞いた話だが、仲の良かった同僚が、何も言わず会社を退職した。1年ぐらいたったある日、町で出会い話をしたら「宝くじで1億円を当てた」との事。その人が言うには、「あなたと会ったからこの町も引っ越しする」との話を聞いた。
  これでは「1億円が当たって不幸になった」としか言いようが無い。友人とも話せず、引越しでお金を使う。これでは何をしているのか分らない。仕事はしなくてすむかもしれないが、悪い事もしていないのに、人から逃げる人生だ。前世で悪行をしていたのかは知らないが、神仏は地道な努力者を応援するようだ。

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